高級品/高級サービス、富裕層マーケティングのためのライブラリ

2012/02/11


男性高級品市場が女性市場を凌ぐ勢い

高級ブランド企業が、男性市場に力を入れ始めている。PPRはイタリアの服飾ブランドであるブリオーニ(Brioni)を買収し、LVMHは男性シューズブランドであるベルルッティ(Berluti)の展開(既製服分野への進出を含む)に力を入れ始めたとオンラインメディアFT.comが伝えている。

Bain & Companyによる高級品世界市場調査によれば、男性向けアイテムは高級アパレル市場の50%を占め、女性市場を凌ぐ勢いであるという。特に中国を含む新興市場の成長が大きく後押しをしているようである。アジアでは男性衣料市場は急速に発展しており、中国ではヨーロッパブランドのほとんどが20%近いの成長を期待できるというアナリストもいるのだという。

世界的にもこの動きは見られ、アメリカのブランド、コーチ(Coach)は昨年、男性向け製品の売り上げ比率は、全体の2.5%から5%に倍増し、今後は15%を占めるまで成長すると期待されている。またエルメス(Hermès)でも、ニューヨークにある唯一のメンズショップの売上成長は、アメリカ全土の平均を上回っているという。さらにはルイヴィトン(Louis Vuitton)でも、ミラノの旗艦店で男性向けのオーダーメード・シューズのサービスを開始し、今後は上海に展開を計画しているようである。

PPRはブリオーニの買収に加え、グッチ(Gucci)とボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)の男性専門のコンセプトストアの計画を中国を中心に進めていくようである。

高級ブランド企業の多くは、世界の高級市場の男性化を一時的な流行ではなく、長期的な市場の変化と見込んでいるようである。


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