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2011/09/02


高級ブランドに増えるフェイク品

偽ブランドバッグなど高級品のフェイク品(偽造品)と言えば、かつては一目見ればそれとわかるクオリティのものであった。しかし今や、本物と変わらないような高品質な素材やパーツで作られており、さらに適切な製造日・製造場所もスタンプされており、ブランド好きでも騙されてしまうクオリティであるという。さらに近年のインターネットショッピングの普及がこのフェイク品の横行を助長しているようだ。ウォールストリートジャーナルが伝えている。

国際商工会議所(ICC)によれば、偽造品や海賊版製品による損失は、世界全体で6,000億ドルにも上り、この額は2015年までに倍増する見込みであるという。米国税関・国境警備局と米国移民関税執行局によれば、昨年、米国当局が知的財産権を侵害しているとして20,000品近くを押収し、この数は2010年から36%の増加であった。2001年に押収されたのは、たったの3,600品であった。

押収された製品で最も多かったのはシューズで、洋服とハンドバッグがそれぞれ3番目、4番目であったという。また、押収された製品の6割は、中国からのものであったという。

フェイク品販売業者にとって、それらしい画像やロゴ、商品説明を用意して、合法的に製品を販売しているかのようなウェブサイトを作ることは容易な作業であるという。またそのような業者は、サーチエンジンのキーワード広告も巧みに利用して、バーゲン好きの顧客を引き入れているようだ。さらに、より高価になるフェイク品が、割引価格の高級品を探している顧客を混乱させているのだという。例えば、15万円する高級バッグのフェイク品が3万円で販売されたりしている。

中古品取引サイトでは、特にこのようなフェイク品の販売が横行しているという。しかし、インターネットオークションサイトもさまざまな取り組みを行っている。米国大手のeBayは、無許可販売を見つけ出すためのツールをブランド向けに提供したり、独自にフェイク品出品の洗い出しを行っているという。また、フェイク品を購入してしまった被害者への補償プログラムも用意しているそうだ。

インターネットによるフェイク品販売への対策は、今までよりもより複雑化している。インターネット以前は、フリーマーケットや店舗の確認だけで済んでいたが、インターネット上のさまざまなサイトを調べ上げていくことは非常に骨の折れる作業である。

それでも、ブランドやメーカーのいくつかは、フェイク品への対策に乗り出している。許可なしに製品を販売してるサイトを見つけ出すための特別チームを組織したり、本物と偽物を見分けるための工夫を製品に施しているブランドもある。また、真偽確認のために、衣類に特殊なDNAを含んだ繊維を入れ込む技術を用いているブランドもあるという。

このような大がかりな方法でなくとも、記事によればフェイク品はある程度見分けることもできるのだという。まず、高級製品に使われている金属パーツには、正しいロゴ、質感、重さがあり、決してプラスチックに見えたり、叩いてみて安っぽい音がするものではないという。また、ジッパーやトグルや鍵は、簡単に閉じたり回したりすることができ、決して引っかかるようなものでもない。さらに、高級品の多くは手製で作られているため一定の不完全さがある一方で、フェイク品は機械で作られているので機械的な完全さがあるのだという。





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