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2016/07/23


ラグジュアリーブランドに必要なマーケティング戦略とは?

ラグジュアリーブランドを育てるためのマーケティングは、一般のマーケティングとは異なる戦略が必要であると言われています。

歴史的に限られた富裕層のみを顧客としてきたヨーロッパのラグジュアリーブランドは、ここ数十年のグローバル化の流れを利用して全世界に顧客層を拡大してきました。各ラグジュアリーブランドは、ラグジュアリーというポジショニングを維持しながら顧客層を広げるために、従来のマーケティング戦略とは異なる新たなマーケティング戦略を模索・実践してきました。

この記事では、ラグジュアリーブランドが用いるこの特徴的なマーケティング戦略について紹介をしていきたいと思います。

「The Luxury Strategy: Break the Rules of Marketing to Build Luxury Brands 」の共著者であるJean-Noel Kapferer氏は、このマーケティングを従来のマーケティング戦略の法則に反するようなマーケティングである述べ、それをラグジュアリー戦略と名付けました。その戦略では例えば、製品は魅力を高めるための欠点を持つべきであることや、あえて顧客が買いにくくすること、市場からの増加する需要には応えないことなどが具体的なマーケティング法則として挙げられています。

ラグジュアリー戦略の特徴は、そのブランドが独自に持っている無形の要素(歴史、遺産、原産地、職人の技能、手作りであること、希少であることなど)を活用して、ブランド価値と価格力を最大化することを目指すことです。ラグジュアリーマーケットにおいてはこのラグジュアリー戦略こそが最も有効なマーケティング戦略であると述べられています。

ラグジュアリー戦略と同一視されがちなものとして、ファッションブランドが用いるファッション戦略や、プレミアムブランドが用いるプレミアム戦略がありますが、ラグジュアリー戦略はこれらと一線を画するものです。ファッション戦略で重視されるものは、ファッショナブルであることであり、ブランドの遺産や歴史は重視されていません。また、プレミアム戦略は「より多くを払えば、より良いものが手に入る」という考えに基づく戦略であり、重視されているものは他との比較によるコストパフォーマンスです。

一方ラグジュアリー戦略では、ラグジュアリーとは他との比較ではなく、そのブランドが唯一もつ絶対的な価値であるとされています。一般消費者向けブランドのマーケティング理論では、ブランドは市場における独自の立ち位置(ポジショニング)を設定し、製品/サービスや価格、流通経路、コミュニケーションを通じて他との差別化を図りながらその独自の立ち位置を確立していく必要があるとされてきました。しかし、ラグジュアリーブランドは、そのブランドが持つ独自性や、時代に対する超越生・不変性から作られる絶対的な独自のアイデンティティが重要であると述べられています。

また顧客の要望に迎合しない点も、従来のマーケティング理論に反しています。これまで上手にマーケティングを活用していると言われてきた企業の多くが顧客指向を信条に、顧客の声をまとめてマーケティングプランに反映をしてきました。これらの企業は、市場の多くの消費者が求める要望に応え、日々の問題解決を助けるような製品やサービスを提供してきました。しかし、ラグジュアリーブランドは、このような顧客の声を単純にマーケティングプランに反映させるべきではないと説明されています。ラグジュアリーブランドが提供すべきものは、夢であり、興奮や歓喜につながる感情であり、日常のニーズや課題に対する答えではありません。また、ラグジュアリーブランドが目指すものは今日の一時的な人気ではなく、文化やアートのような将来に長きに渡ってスタンダードとなることです。顧客の声を単純に聞き入れるだけでは、現在の平均的な消費者のニーズに合わせたものにしかなりません。ラグジュアリーブランドは、顧客の期待を超えて、彼らを驚かせるようなものであるべきだということです。

ターゲットとする顧客層に関しても、ラグジュアリー戦略に基づいたマーケティングは違いがあります。従来のマーケティングで注視されてきたのはターゲット顧客層のみであり、例えば広告やコミュニケーションではターゲット層以外へのリーチは無駄な投資とみなされてきました。しかし、ラグジュアリーブランドのマーケティングでは、直接の顧客になり得るターゲット層に加えて、それ以外の層に対する認知度も重視されています。なぜなら、ラグジュアリーには「自分自身にとってのラグジュアリー」と、「他人に対するラグジュアリー」という2つ価値があるためです。後者の価値を維持するためには、ターゲット層以外に対してもブランドに対する認知度を高め、好意的な印象を与えるようなマーケティングが必要であるという考え方です。

また、広告などで用いる有名人にも注意をすべきです。有名人はファッションブランドでよく見られるような、「あの有名人が持っているから私も欲しい!」と思わせて新たな顧客に商品を売るための営業担当としての起用はすべきではないとされています。ラグジュアリーブランドが有名人を用いる場合には、一般の消費者にとっては非日常的な製品/サービスであるというブランドイメージを壊さない、実際の既存顧客であるような人物用いるべきであると述べられています。

これまでの内容を含めラグジュアリー戦略に基づいたマーケティング法則として、次の24の項目が挙げられています:

<続く>






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