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2016/09/20


ブランドの偽造品との戦いは法廷に向かう動き

これまで高級ブランド各社は、偽造品に対してどのように対処していくかを数年に渡って議論を交わしてきた。そして近年、電子商取引サイトやソーシャルメディア上での偽造品が爆発的に横行し、グッチや、モンクレールや、アレキサンダーワンなどのブランドが中国やヨーロッパにおいて偽造品の販売業者を訴え始めている。

ファッションブランドの「アレキサンダーワン」は、昨年、偽造品のハンドバッグや、シューズ、洋服を販売したとされる459のウェブサイトオーナーを訴え、米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所から9000万ドルの損害賠償を認められた。同ブランドは、「世界レベルで警戒心を常に保っていく」とコメントし、裁判所が下した判決に満足していることを示した。

また中国では、高級ダウンジャケットなどで知られる欧州の著名ブランドである「モンクレール」が、偽ロゴマーク付きのダウンジャケットを製造・販売した会社を訴え、損害賠償を勝ち取った。

さらに、グッチやイヴ・サンローランといった高級ブランドを傘下に持つフランスのケリングは、米ニューヨーク証券取引所に鳴り物入りで上場した中国の電子商取引最大手のアリババを訴えた。ケリングは、ウェブサイトで故意に利用者に偽造品を買わせようとしたり、偽造品の販売サイトに誘導したりして、アリババが偽造ブランド品の販売を奨励していると主張した。

このような動きは、今まで偽造品販売業者との争いを必ずしも公にしてこなかったブランドの戦略変更なのかもしれない。今まで多くのブランドが製造・販売拠点を閉鎖させるために偽造品に対する捜査や差押えに注力してきたが、この方法が偽造品製造の抑止においてどの程度効果があるのかは疑問であった。しかし、模造品生産数の増加や、オンライン販売の成長、犯罪ネットワークとのつながりなどにより、最近は法廷への提訴を検討するブランドが増えているようだ。

経済協力開発機構(OEDC)の調べによれば、高級ブランド品などの偽造品の取引は世界で4610億ドル(約50兆円)の規模に膨らんでいる。世界の貿易額に対する偽造品の取引の割合は、2008年の1.9%から、2013年には2.5%にも達し、この額はオーストラリアの経済に匹敵する規模であるという。

この調査によれば、ロレックス、ナイキ、レイバン、ルイヴィトンが世界の税関で最も多く差し押さえられたブランドであったという。商品の種類では、靴が最も多く、洋服、革製品、小型機器がそれに続いた。また、中国が最も偽造品の製造や販売が盛んな地域として挙げられた。

<了>






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