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2010/08/21


定性調査の活用方法(5)〜グループインタビューの費用〜

グループインタビューのように比較的少人数で行われる定性調査手法は、アンケート調査などの定量調査手法に比べ費用は比較的低価格で済むのが特徴です。しかしグループインタビューを実施する場合でも、対象者の募集や、会場の利用、スタッフの手配などさまざまな費用がかかります。

グループインタビューの費用を考える場合、準備から実施に沿ってみると必要な費用が分かります。下の図は、「グループインタビュー企画から実施の流れ」で用いたプロセスに、一般的な費用項目を書き表したものです。

フェーズ項目詳細費用項目
調査設計1. 調査目的/課題の確認調査の目的を確認し、調査で明らかにすべきことを調査項目として設定する準備費・調査企画費など
(調査会社に委託をする場合)
2. 対象者の選定・グループ構成の計画調査目的や予算、調査期間を考慮して、対象者のプロファイルや、グループ数、各グループ特性、インタビュー時間を決定する
3. 調査質問票の作成1.で設定したインタビュー項目ごとに、対象者への質問内容を設定し、各質問項目の時間配分や流れを記述した調査質問票を作成する
4. 調査日程・場所の計画対象者のプロファイルに合わせて、調査場所や調査日程(曜日・時間)を決定する。またインタビュー会場などを手配するインタビュー会場費
5. 調査人員の計画モデレーターや調査当日に必要なスタッフなどを手配するモデレーター費用
書記費用
運営スタッフ人件費
同時通訳費(必要な場合)
調査準備6. 対象者の募集2.で作成した対象者募集要項、及び、対象者スクリーニング質問票に沿って、対象者を募集する対象者募集費
対象者謝礼
7. 実査準備細かいインタビューの進め方や、調査で使うサンプルなどの手配、謝礼の手配、座席配置の決定などを行います調査運営費・管理費
(調査会社に委託をする場合)
※[場合により]録画・録音費、対象者飲食費、観察者用飲食費など
8. 実査グループインタビューを実施します。必要によりインタビュー内容の録画や、インタビュー発言録の作成を行います
9. 分析・取りまとめ8.で得られたインタビューメモ、インタビュー発言録、インタビュー内容の録音から報告書を作成します報告書作成費

グループインタビューの場合、通常最も費用が変動する要素は対象者募集費、及び、謝礼です。出現率の低い対象者を募集したり、忙しくてインタビュー会場に出向いてもらいにくい人々を募集する場合には、費用は大きく上がります。調査の目的と予算を検討した上で、適切な対象者募集条件を決定することが、効果的なグループインタビューの実施につながります。

調査会社に委託をしてインタビュー会場でグループインタビューを1回(1グループ)実施する場合、通常50万円から80万円程度の費用がかかると言われています。しかし、調査企画費や準備費が調査ごとにかかることを考えると、実施するグループの数を増やすことで1グループあたりの費用を抑えることが可能です。

英語や外国語を考慮したグループインタビューの実施費用

観察者(オブザーバー)に外国人が含まれる場合や、調査スポンサーが外国である場合、調査内容や報告書を外国語で報告する必要がある場合は、次のような追加の費用項目が加わります: 同時通訳費、調査資料翻訳費、英語・外国語インタビュー録作成費、英語・外国語報告資料作成費。調査結果を英語や外国語で報告をする場合、日本語で得られた結果を後から翻訳していくには通常かなりの高額となってしまうため、始めから英語・外国語での調査を専門とした調査会社に依頼をした方が比較的安価で実施をすることができます。

<続く>

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